LOVE LOVE KOI STORY BY 赤坂浩美

PART.3
 PART.1 PART.2 
6月○日 アジサイの咲く季節
 5月、何か妙に池中を追っかけまわしているなと思ったら、白く池水が濁って、どうも産卵の季節らしい。本当はオス・メス一匹ずつ隔離をして、生ませてあげなければいけないのだけれど手遅れ。
 この錦鯉の産卵の季節が終わったと思ったら、もうお隣のアジサイが美しい花を咲かせています。
 
7月7日 七夕は雨でも・・・
 
雨続きで餌やりも滞り勝ちですが、我が愛鯉達は餌場をぐるぐる回っています。ついでに池の端から端まで走り周り、我々の食事中はその音を聞きつけて、キッチン前の池口まで、入れ替わり立ち代り挨拶に来るのです。
 音に敏感な上に、家主の居る場所が分かるなんて眼も良いのです。やっぱり可愛くなってしまいますね。
   
7月○日 池壁をつつくのは?
 良い水作りをしている池の、池壁をしきりにつついている鯉は何をしていると思いますか。池壁に毛足の短い絨毯のようにびっしりとついているのはサヤミドリという藍藻類です。良い水にはここにきっと美味しい微生物や植物性のプランクトンも住んでいるはずです。飛び上がったり、潜ったりしながら天然の餌を補充しているようです。 
7月○日 夏の池は家の中からごめん
 毎日暑い日が続いています。戸を開けるとエアコンデショナーの冷気が逃げてしまうので、つい家の中から皆にご挨拶です。でもやはり目が合ってしまい餌をねだってぐるぐる回り始めます。外の気温は36度、水の中はどうなのでしょうか。全然平気で、こっちは涼しいよと言っているようです。蒸発する水量も多いので、朝方か夕方10分間ほど差し水をしてやるとご機嫌のようです。
 
8月○日 台風もなんのその!!
 我が家の池には屋根も有りませんが、台風が来ようが、槍が降ろうが、鯉は元気いっぱいです。池の端から端までを、餌を求めて泳ぎ廻っています。そんな欠食児童にした覚えもないのに、一瞬の餌の音も聞き逃すまいと、耳をそばだてているようです。
9月○日 夏バテは人間だけ?
 9月に入ったと言うのに、まだ残暑が厳しい毎日ですね。人間のほうはすっかりグロッキーになっていると言うのに、我家の鯉は夏バテなんて全然お構いなしの食欲です。「手間いらず」とはいっても、せめて蒸発した分だけの新水の補給と、上水抜きに集まった落ち葉は、まめにとってあげるようにしています。こうやって、澄んできらきらした水の中で生き生きしている錦鯉の様子を観察することが、一服の清涼剤になります。
9月〇日 夏も早や・・過ぎて・・
 
 暑い夏の暑さにも負けず、又、未曾有の大雨にも負けず。震度5の地震にも負けず、KHVとやらの疫病も感知せず、選挙の結果、政治がどう変わるかなども全く感知せずに、おかげさまで、あっと言う間に夏が過ぎて行きました。
 この生きている池水の美しさと、悠々と広く泳ぎ回る我が愛鯉たちの元気さに毎日が勇気付けられます。多くの贅沢などは望まないけれど、この平和だけは失いたくないと思います。激しく移り変わる時代の速さの中に生きて、この水の優しさと人の心の優しさを保つにはどうしたらいいか、鯉たちと語り合っている毎日です。
10月○日 暑い夏が過ぎて連日の雨
 
雨・雨・雨で人間は嫌になってしまいますが、わが錦鯉どもは、いたって元気印です。土砂降りだというのに平気で餌に飛びつきます。食欲の秋です。今食わなくっちゃとばかりのわが愛鯉は、幸せなのかもしれないよ。 
11月○日 我家の錦鯉は元気一杯
  
鯉ヘルペス?とかいう変な病気がどこかで流行っているらしい。でも、我が家の鯉はこんなに元気です。新しい錦鯉を入れる時には十分に気をつけ、池の外で消毒をしてから入れるようにしましょう。可愛い愛鯉にうつっては大変です。  
11月○日 錦鯉は冬眠する?
 昔、錦鯉は冬眠をするといわれ、10月を過ぎると、餌止めをしていたものです。しかし現在、我が家のリフレッシュ・システムでは、常に池の底水を動かしているので、氷の張ることもなく、ヒーターなんて勿論要らないし、じっと動かない錦鯉なんて考えられません。冬だって錦鯉は天気が良い日には、元気に泳ぎ廻って餌を欲しがります。食べ終わるくらいの分量なら、餌をやっても全然平気なのです。 
2月○日 餌を求めてウロウロ?
 
春めいてきてはいるけれど、まだ、風が冷たい季節です。家の鯉たちは、朝は整列してじっとしているのだけれど、夕方ガラス戸のあく音がすると、餌だとばかりに、じわじわと集まってきます。つい、かわいそうになって一つまみばかり餌をやろうとすると、まだ、やるなよという主人の声。ご免ね、恨らまないでねと心であやまりながら、そのまま雨戸を閉めます。まだ、水が冷たいうちは、運動がたりなく消化が悪いので餌はやらないほうがいいのです。食べ残しは一番池水に良くないのです。 
3月○日 池の前の木に鳩が巣作り(2004年3~5月ころ)
 
まだ少し寒いので、池を覗くのをご無沙汰していたら、時々、土鳩ではない綺麗な鳩のつがいが池のそばをうろうろしているのです。主人と水浴びかしらと話していたら、どうも巣作りをしているらしいのです。脅かすといけないので、カーテンの隙間から覗くようにして、戸をやたらに開けないようにしていました。二階のベランダから見ると卵が二個。そのうち一匹が孵化し、毎日そっと覗くのが日課でした。でもある日それが無くなっていたのです。実は隣のご主人が気がつかずに、枝を払ってしまったのでした。しばらくは呆然とし、子を探しに来る鳩のつがいの姿がとても可愛そうでした。 
 ○月○日 物言わぬ錦鯉だから
 錦鯉は犬や猫と違って声を出すことが出来ません。ですから、池の環境が合っているかどうかは、人間がその様子を見て判断してあげるしか有りません。動きを見、水を見て判断する事が病気を知る唯一の方法です。
 また、愛鯉家にハードな仕事をする人が多いのは、物言わぬ錦鯉だから、その静かな泳ぎと優雅な雰囲気が、癒しというか心の慰めになるのでしょうか。
 ○月○日 華麗なるバックと立ち泳ぎ 
 錦鯉の泳ぎの華麗さは、本当に錦鯉を愛した人でなければ知らないし、見ることが出来ないかもしません。特に、バック泳ぎの手びれの優雅な動かし方は、シンクロナイズスイミングの美女もビックリのことでしょう。それと同時に立ち泳ぎをしながら、エサをほおばるテクニックは、とても可愛い上に感動ものです。本来、錦鯉の口は、下をつつくように出来ているらしいのですが、それでは、彼らの一番可愛い表情を観ることができません。錦鯉の場合はその学習能力によって、十分に観る人を楽しませながら、浮き餌を食べてくれるのです。錦鯉は、本来上から見るもので、横から見るものではないと思うんですが・・・・。
   
 ○月○日 目玉クリクリ表情あり
 鯉にも黒目が大きくて、よく動き、茶目っ気のある可愛いのがいます。主人の動きに合わせて、さっと走ったり、バックしたり行動します。 目玉が小さくて、無表情のもいますが・・。彼らが一番安心しきっている姿を知っていますか。水面に、ヨットのように尾鰭をたててひらひらさせながら、ゆったりと水平に泳いでいるときです。 
 ○月○日 錦鯉はペットじゃない?
 知っていますか、錦鯉はペットじゃないんです。 じゃあ、何なんでしょうか。実は・・・お米や野菜と同じ「農産物」なんですって。 そんな!! それじゃあ、日本の文化を象徴する錦鯉がいかに可愛いペットかってことを、みんなに教えてあげなくっちゃあ。錦鯉たちも、よく見るとみんな顔立ち?が違って個性があるんです。だから家の鯉は一匹づつみんなニックネームがあります。
○月○日  我が家の池は猫銀座
 写真が撮れなくて残念なのですが、我が家の池の前には銀座のスクランブル交差点の様に、いろんな猫たちがやって来ます。家の中からそっと様子を見ていると、とても愉快なんです。可笑しい猫がいっぱいいて、思わず笑ってしまいます。のぞき猫  水飲み猫  ひなたぼっこ猫  前進前向き通りすぎ猫  落っこち猫   錦鯉の餌くい猫 等々
 なぜ、家に来る猫は鯉を襲わないか?一度コラッと脅かしたら、池に落っこちて大慌てで逃げた猫がいましたが、その後は一度もありません。意外と猫は水が怖いんでしょう。鯉よりも、落ちている鯉の餌を狙って来るか、日向ぼっこに来るようです。
 
○月○日 音に敏感・学習力バツグン
 縁側のガラス戸から池をのぞくと、もう様子を察知して好奇心いっぱいの彼らの眼が、私の顔に向けられます。がらりとサッシを開ける音を聞きつけると、池一面に散っていた錦鯉達がエサ場に向かって飛んできます。(ほんとうに泳ぐと言うより、飛んでくるという形容がぴったりなのです)その早いこと早いこと!! ご飯ですよ、と手をぽんぽんと叩くと、ぐるぐると回り始めます。泳ぎながら、彼らの眼がまた一斉にこちらを見ています。 一匹一匹個性派揃いの頭の良い彼らは、チャンと判っているのです。エサを撒くと、バシャバシャッと烈しい水音をたてて、水面のエサを少しでも多く頂こうと、舐めるようにいつもの一番乗りが、ひとしきりほおばって次ぎの鯉と交代します。なんとなく順番があって、その点、一人締めなんてことはなく、以外とお行儀が良いのです。 
○月○日 春には藻が生え変わる。
 よく、長い藻がはえて困ると言う悩み話を聞きます。池の水の成分のバランスが崩れると、悪い藻や水草類が、どんどんのびてアンモニアを吸収します。その分、錦鯉に必要なミネラルや栄養素が奪われるわけです。
 良い池では、春になると、藻が生え変わって、サヤミドリと呼ばれる短い絨毯のような藻になります。そこには有効な微生物も住み易いらしく、また、錦鯉がその藻をつついたり、食べたりしているのを良く見掛けます。
 
 ○月○日 春ですね~。
 レースのカーテンの向こうのフェンスの上で、一羽の鳥(名前がわからない)があたりの様子を見ながら、何か盛んにさえずっています。何だろうと見ていると、もう一羽がやって来て今度は、池の縁に降りたって「つがい」で、水浴びを始めたではありませんか。ここの水は良いよと呼んでいたのですね。何とか写真に撮ろうとしたのですが、カーテンを動かしたとたんにさっと向こうの木に飛び立ってしまいました。残念。
 なのに家の鯉達は一向に平気、下から眺めているだけ、鳥も別に襲ったりしません。なんだか春ですね。
○月○日 俺が一番だ!!
 この素晴らしい闘争心。餌!!となると一番先に吹っ飛んでくる。  
 ○月○日 ニュースター登場?
 モノクロ写真にしてみたら、この水の迫力の素晴らしさ。我が愛鯉の姿が、今までの写真とは随分違って見えたりするみたいで面白いです。動きとリズムのある写真も良いのでは??  
   
   
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